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シルバーハイツ札幌 羊ヶ丘だより

羊ヶ丘だより第103号 2023年1月31日発行

カリンの実 1・2番館 ケア課 田村 夏未
 1・2番館の憩いの庭には一本のカリンの木があります。
 この木は平成十五年五月に3番館のオープン記念として植樹されたもので、毎年秋から冬の初めにかけて、たくさんの黄色い実がなるまでに成長しました。
 毎年この光景を心待ちにされている入居者様もいらっしゃり、今年もたくさんの実が収穫できました。
 カリンの実は一般的には香りを楽しんだり、ジャムやお酒等に加工するそうですが、1・2番館では玄関先等に置き、カリンの豊かな香りと鮮やかな色彩を楽しんでいます。


今年もたくさんの実がなりました


豊かな香りを楽しんでいます

年賀状づくり 1・2番館 フロント 寺崎 裕貴子
 入居者様のお元気な様子を写真や文字でお届けしたいと思い、今年は身元引受人様へ入居者様と手づくり年賀状に挑戦しました。  年賀状の写真は今年のクリスマス会等で撮影させていただきましたが、写真はどうしても照れくさいと仰られた方には、干支が描かれた年賀状に心を込めてメッセージを記入していただきました。
 写真撮影時には、おどけた職員の装いに気を取られてしまったり、思わず吹き出してしまい笑ってお顔を上げられなかったりと、終始楽しい雰囲気でした。
 良い写真が撮れるまでご本人様と何度も確認し合い、この初の挑戦は職員にとっても、楽しい思い出になりました。
 コロナ禍で、身元引受人様ともお会いできない日々が続きましたが、お手元に届いた手づくり年賀状が、素敵な思い出になっていただければと思います。


一生懸命メッセージを考え
書いてくださいました


元気で暮らしています
また会いましょうね

大晦日の様子 1・2番館 生活相談員 川中 誉代
 大晦日…今年一年の感謝と、新しい年を迎える為の準備をする日。この年末年始は例年より雪も少なく暖かな日が続きましたが、皆様はお変わりなくお過ごしでしょうか。
 大晦日と聞くと「除夜の鐘」「年越しそば」「紅白歌合戦」等が思い浮かびますが、私は大晦日になって漸く年賀状書きに取りかかるという思い出もあります。
 昨年の大晦日は、三年ぶりに行動制限が無い大晦日と言われましたが、入居者皆様は今もご家族様やご友人との面会・外出等の機会が少ない日々を過ごされています。
 少しでも早く、ご家族様や大切な方とお会いできる時間が持てますようにと願い新しい年を迎えました。

クリスマス 1・2番館 ケアマネジャー 本間 まなぶ


うっとりと聴き入っています

 十二月二十三日(金)に、クリスマス会を開催しました。
 今年は三年振りにボランティアの方々をお招きし、ロビーにて演奏を披露して頂きました。
 演奏一曲目は、津軽三味線で、十三歳の男の子による力強い演奏には感動いたしました。
 その後、アルトリコーダーによる「ペチカ」「もろびとこぞりて」の演奏やハンドベルによる「もみの木」等の演奏もあり、演奏終盤には、ロビーの外のイルミネーションが輝く中でツリーチャイムの美しい音色が流れ、「きよしこの夜」「赤鼻のトナカイ」「見上げてごらん夜の星を」を皆様で合唱し、楽しい時間を過ごしました。
おにぎりランチ 3番館 生活相談員 長谷川 友美
 3番館では初の試みで、十一月十一日(金)の昼食におにぎりを提供しました。
 以前、入居者様から「海苔を巻いたおにぎりや美味しい炊き立てのご飯が食べたい」という声がありました。
 新米おにぎりは「出来立て、手作り、熱々」にこだわりました。
 具材は、筋子、タラコ、鮭、梅、昆布、チーズおかかの中から最初に二種類を選んでいただき、その後のおかわりは自由としました。一番人気は「筋子」です。
 佐藤水産から購入した筋子は小粒でしたが美味しく、一〇二歳の方は久しぶりの筋子だと二つとも筋子を選んでいらっしゃいました。
 おにぎりの他は、熱々お鍋から注いだ豚汁と卵焼き。卵焼きは少し甘めにしてお醤油を掛けると丁度良いお出汁の利いたものにしました。
 おまけは、年配者に人気のかま栄のかまぼこ。
 どれも大変喜ばれました。
 「今後も是非やって下さい」「おかわりが出来て美味しかった」と入居者皆様が笑顔になっていました。


おかわりいかがですか?


おにぎり、美味しいよ

3番館の面会室 3番館 総務 棧敷 典子


ビニール越しに手を握り笑顔が溢れます

 新型コロナウイルスが蔓延してからやむを得ず面会制限をしています。3番館では、「ほんのひと時でもご家族やご友人と会う時間がつくれたら」と面会室を設け、ビニールカーテン越しに予約制で面会をしていただいています。
 面会は限られた時間ではありますが、皆様にとても喜んでいただいていて、面会室に歩いて向かう入居者様はいつもより早足になるくらいです。
 面会室ではビニール越しに手を握ることもできるように工夫して、直接触れることはできなくてもお互いのぬくもりを感じていただいているのでは…と思います。
 フロントにいても楽しそうな会話の声が聞こえてきます。お別れの時間になると「会えると思わなかった、嬉しかった」と仰る方や「また会えるかな」と寂しそうにされる方など、私も胸がいっぱいになります。
 市内の感染者が減っていた時には中庭での面会も実現できました。早く以前のように自由に面会できる生活が戻ることを祈るばかりです。

リハビリテーションとストレッチ 3番館 理学療法士 西山 徹


ゆっくり伸ばしていきます

 加齢による身体の変化の一つとして、「動きにくさ」が挙げられます。
 3番館の機能訓練では、「動きにくさ」を予防するために集団体操やアクティビティの他に、個別機能訓練を行っています。その内容は多岐にわたっており、「歩く」や「立つ」などの基本的な動作の練習や、筋力をつける運動などを実施しています。それらの運動を実施するためには、関節がきちんと動いている必要があります。
 しかしながら、加齢によって筋の長さが短くなり、関節運動の範囲が狭くなってしまうことがあります。その解決方法としてストレッチがとても有効になります。
 筋はゴムの様な性質があり、持続的に伸張すると徐々に伸びていきます。動きにくい関節周囲の筋に対して、ストレッチを実施することで、運動の範囲が広がり、動きにくさが少し解消できることもあります。筋の伸張には痛みが伴いやすいため、その強さや方法は人それぞれ異なりますので、入居者様に合ったストレッチの方法を考えることが機能訓練ではとても大切です。
 これからも「動きにくさ」を予防して、日常生活活動を少しでも楽に出来る身体を目指した機能訓練を実施していきたいと考えております。
十二月お誕生会・クリスマス会 3番館 ケア課主任 澤藤 弘美
 十二月二十三日(金)、十二月お誕生会・クリスマス会が開催されました。
 職員がサンタクロースやトナカイの衣装を身に着けて入居者皆様へ手作りのクリスマスカードをプレゼントしました。皆様突然の訪問に目を丸くし驚きつつも、満面の笑みで喜んで下さいました。中には涙を浮かべて喜んで下さったり、クリスマス曲のメロディーに合わせて手拍子で迎えて下さる方もいらっしゃいました。その他には、職員が歌を披露したり、入居者皆様と一緒に歌を歌って、終始笑顔溢れる会となりました。


サンタウーマンにビックリ


サンタ登場


サンタからの
プレゼントににっこり

入居者様文化祭 中島公園 理学療法士 相馬 里香
 十一月三日は文化の日。中島公園では十一月一日(火)〜三日(木)にかけて文化祭を開催致しました。
 入居者様が主催して下さり、私たち職員も一緒に準備をさせて頂きました。
 入居者様同士で意見を出し合って展示品の配置を決め、笑い声が絶えない準備風景を見ていると、学生時代の様でとても楽しく思い出に残る時間でした。無事に準備を終え、いよいよ文化祭の開催です。皆様の大切な思い出の作品、素晴らしい作品が展示されています。
 沢山の入居者様が足を運んで下さり、「とても素敵ね」「これはどうやって作ったのかしら?」、「これは面白いわね」など、とても楽しまれていました。


入居者様から提供された
作品の数々


文化祭タイトルと
貼り絵作品「紅葉の秋」


展示品をご覧になる入居者様

ラジオ体操 中島公園 作業療法士 藤原 美歩子
 中島公園では月曜日〜金曜日の午前十時十五分から「ラジオ体操第一・第二」、「みんなの体操」を合計二十分程度行っています。
 体操に参加される入居者様は、もともと毎日ラジオ体操をしていた方、何十年かぶりにやってみようと参加して下さる方、体を動かす機会になるから参加している方とさまざまですが、皆様真剣に取り組んで下さっています。私も皆様と一緒に体操すると、楽しんで行えるので時間があっという間に過ぎてしまいます。
 また体操の前後では「おはよう、今日も頑張りましょうね」、「今日もお疲れさまでした」、「久しぶりに来たね、会えてよかったよ」と参加者の皆様が声をかけあっており、入居者様同士の関わりあいがとても暖かく感じられました。


肩周りの体操


上肢と体幹の体操

クリスマス飾り付け 中島公園 ヘルパー 福澤 淳子


「ワクワク」しながらの
飾り付け

 一般棟一階レストランはクリスマスツリー、動くサンタクロースなど、素敵な飾り付けがされました。
 ツリーの飾り付けは入居者様と一緒に行いました。参加された皆様は揃って目を輝かせて「これはここがいいかしら」、「やっぱりここの方が目立っていいかな」、「華やかで派手な方がいいと思うよ」と、それぞれの感じたままの場所に思い思いの工夫を凝らしながら飾り付けをされていました。
 大きなツリーは、レストランに来られる皆様に好評で、「キラキラしてとてもきれいだね」などと大変楽しそうに眺めていらっしゃいました。
 当日はクリスマスにちなんだメニューで、このひとときを楽しんでいらっしゃいました。
新年交礼会 中島公園 施設長 鵜入 美津子
 一月一日、今年も「新年交礼会」を入居者皆様と行えたことを大変嬉しく思っております。
 新年交礼会では、入居者皆様の健康とご多幸を祈願し乾杯をさせていただき、しばしの歓談を楽しんでいただきました。
 「今年は良い年になるといいね」「今年もよろしく」という言葉が皆様から聞かれ、一年を終えた時に「良い一年だったな」と皆で思えるような年にしたいと思っております。
 昨年はコロナウイルス関連で入居者皆様そしてご家族様へ、大変なご心配ご迷惑をおかけいたしました。その都度のご協力に感謝しております。
 今年はうさぎ年です。うさぎの跳躍のごとく、飛び跳ね前進する毎日を皆様と過ごし、皆様にとって平和で明るい良い一年となりますよう願っております。


年頭祝辞を述べさせて
いただきました


談笑

新年のお慶びを申し上げます

 皆様におかれましては、益々ご健勝のことと拝察致します。
 昨年を振り返ると海外では渡航制限や日常生活での行動制限の緩和が相次ぎ、国内でも一定程度の緩和が進みました。
 皆様にも引き続き様々なご不便をお掛けしており心苦しい限りですが、新型コロナウイルスに対する塩野義製薬の治療薬が承認されるなど前向きなニュースもありますので、次々と変異を繰り返す、この難解なウイルスに対する向き合い方が、日本社会として早期に確立するよう期待したいと思います。
 さて、昨年は平和の祭典である北京でのオリンピック・パラリンピック、今後三年間の国の政策運営を決めるとも言われた日本の参議院選挙、アメリカの中間選挙、中国の習近平政権の三期目続投、世界的なインフレ、年末には日本勢が大活躍し、そして至宝メッシが率いるアルゼンチンが優勝したFIFAワールドカップなど、様々な出来事がありました。
 その中でも一番衝撃的であったのは、ロシアによるウクライナ侵攻ですが、これまで、特に冷戦後、イギリスの経済学者であるデヴィッド・リカードが提唱した比較優位の原則に従うように、各国は自国の得意分野に注力し、生産性を上げ、他国との貿易等を通して、経済を補完し合う体制になっておりましたが、今回の侵攻によって、ある程度生産性を度外視しても自国内で自己完結(Self-Sustaining)する経済に舵を切らなくてはならない状況となりました。
 これは、企業にとっても同様で、我々は協力事業者様と共同で皆様にサービスを提供しており、短期的には、又は状況によっては外部委託の方が競争力のある場合などがありえますが、外部環境が不安定になるなかで、条件が急激に悪化する場合があり、一定以上の影響を受ける部分については、内包化していく流れが顕在化したのだと考えております。
 食費についても、既に昨年のみでも仕入れ先から十%以上の食材費値上げがされましたが、人件費の高騰も含めると、かなりの高騰でした。また電気料金なども数十%にも上る上昇幅でした。当社では既に食事についてはグループ内で対応しておりますが、特に電気料金についてはかなり厳しい状況ですので、弊社グループの新規大型施設では、新設時に太陽光パネル設置を標準とする方針としており、いずれ設置コストによっては、弊社においても導入することになるかもしれません。
 また、機能訓練や社内研修なども一部外部にご指導頂いておりましたが、自社雇用や研修チームの拡充によって、内包化しております。
 この様に世界的にも様々な事が起こる中でも、自己完結できる部分を増やし、企業としての成長や安定性を確保しつつ、皆様にご安心頂けるような環境を整えていきたいと考えておりますので、引き続き運営のご協力を賜りますようお願い申し上げます。最後に今年も皆様が健康でかつ充実した日々が過ごせますように祈念し、新年のご挨拶とさせて頂きます。

健康一口メモ 〜気を付けたい冬の脱水〜 3番館 看護職員 浜谷 和誉

「隠れ脱水」をご存じですか?

 隠れ脱水とは、本人が気付かないうちに体内の水分が奪われることをいい、脱水症状の一歩手前の状態です。そのまま放っておくと重篤な体調悪化を招くことがあります。
 隠れ脱水の主な原因は「空気の乾燥」です。そのため暑い夏だけではなく「冬場」に起こりやすい傾向にあります。冬は湿度が低いため乾燥しやすく、室内では暖房をつけているため、さらに空気が乾燥します。
 身体の水分は皮膚や粘膜からは全体の八十%、呼気からは、残りの二十%が失われており、空気中の湿度が低いほど体から水分が奪われていきます。
 また乾燥による水分不足は、暑い夏の発汗時のような喉の渇きを感じにくいため「水分を補給しなくては」という意識が働きにくく、症状に気付くのが遅れがちに。このように「隠れ脱水」が進んでしまうのです。

高齢者の【冬の脱水】

 加齢に伴い、筋肉量、骨量、細胞数の低下が起こり、体の機能は大きく変化します。そのため高齢者は気付かぬうちに体に蓄える水分が減少した状態で生活しています。冬は冷えと相まって「トイレが近くなるから」という理由で水分摂取を控える方も多くなります。
 冬の脱水状態は気付きにくく水分補給が遅れれば命にかかわることもあるため、我々高齢者をケアする者たちは特に注意をして観察を行っています。

〈高齢者が脱水状態になりやすい理由〉

・筋肉量の低下…水分含有量の最も多い筋肉の量が減るため水分を蓄えることができない。
・のどの渇きを感じにくい…加齢によって「喉が渇いた」と感じ取る脳の機能が低下し水分摂取が遅れがちになる。
・食事量の低下…活動量の低下、嚥下機能の低下により食事摂取量が少なくなり食事で摂る水分量も減少する。
・薬の影響…高齢者の多くが降圧剤を服用しており、利尿作用を促すものが多い。

もしかしたら脱水?

身近なご家族やご自身も、もしかしたら脱水気味かもしれません。次の点を確認してみましょう。

〈チェックリスト〉

・口の中が乾燥している。
・便秘している。
・体がだるい。
・集中力が続かない。
・立ちくらみやめまいがする。
・食欲がない。
・皮膚が乾燥している。
・吐き気がする。
・靴下を脱いだら足首にゴムの跡が十分以上残る。
 靴下の跡の代わりに、軽く手の甲をつまんで、離した後につまんだ跡が三秒以上残る場合も身体の水分不足が疑われます。
 ほかには手足がしびれる。足がつりやすい…なども。

予防のポイント

・こまめに水分補給…特にトイレを億劫がらずに就寝前にコップ1杯のお水を飲みましょう。

〈食事時・運動後・入浴前後〉

・加湿器などで湿度を適正に保つ
・過剰に暖房機器を使用しない…こたつや電気カーペット、電気毛布などの暖房機器を長時間使っていると体温調整ができなくなり、体内の水分も減って脱水症状を引き起こすこともあります。
 肌のカサカサやかゆみも気になるこの季節。水分摂取を心がけ健康に過ごしましょう。