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シルバーハイツ札幌 羊ヶ丘だより

羊ヶ丘だより第104号 2023年4月28日発行

ひな祭り 1・2番館 看護職員 近藤 和美
 1番館一階ロビーに入居者皆様のご健康を願いながら毎年時間をかけて、職員がひな人形の飾り付けを行います。
 ひな祭りの由来は諸説ありますが、中国の五節句のうちの一つ、「上巳の節句」が日本に伝わったとされています。
 中国では川で身を清める習慣があったことから、平安時代、それにならって紙の人形に自身の穢れや厄をうつして川に流す「流し雛」が行われていたと言われています。
 そして、人形がだんだん立派になり、貴族の子どものあいだで流行っていた「ひいな遊び」と呼ばれる人形を使ったおままごとと結びついていったようです。
 このひいな遊びが江戸時代にひな祭りへと変化し、女の子のための行事として家に人形を飾る風習が定着したと言われています。
 1・2番館ではひな祭りの夕食はちらし寿司をご用意致しました。
 実はひな祭りにこれを食べるという料理はないそうですが、ちらし寿司は縁起の良い食材が集まっためでたい伝統料理であることから、ひな祭りの際によく食べられるようになったようです。
 こうして、入居者皆様が少しでも日本古来の伝統や季節を感じることができるように取り組んでおります。


お内裏様とお雛様


1・2番館の三人官女様

『書道展』開催 1・2番館 ヘルパー 石黒 明子
 1・2番館では「第一回書道展」を開催致しました。
 テーマは春を感じる言葉として、皆様に筆を運んで頂き、春を感じられる作品を多くの入居者様や職員から出品して頂きました。
 作品を制作中は、お手本をしっかりと見ながら慎重に筆を運ばれ、集中して制作される方や、「昔はもっと上手に書けたのになぁ」と言いながら書かれる方など皆様思い思いに取り組まれていました。
 廊下に展示させて頂き、入居者様から「もう春だ」「味のある作品だ」「こんな綺麗な字を書けるってすごい!」など、たくさんのお言葉を頂きました。また、自分の作品が掲示されることを楽しみにされている方もいらっしゃいました。


書写を楽しむご入居者様


展示作品を楽しむご入居者様

昭和・平成・令和を生きる 1・2番館 ケア課主任 梶原 正浩


いつも朗らかな盛合りよ様

 1・2番館で令和の今を元気に生きる入居者様に、お話を伺いました。
 昭和五年生まれの盛合様は、若き日々の事をこう語って下さいました。
 『十代の戦時中は食べ物不足で、調達するのにも命がけの行動だった』と鮮明な記憶を一生懸命に伝えてくれました。
 飽食の時代と言われる令和の世で苦労の日々を経験したからこそ大きな幸せが感じられる事も教えて頂きました。
 現在はコロナ禍の影響もあり、外出する機会が減り、お部屋で過ごす時間が多いですが、今後の楽しみは、他の入居者様や職員と集まってゆっくりお話しをしたり、ホーム内でカラオケを楽しんだり、天気の良い日に中庭を散歩したりなど、人との触れ合いを大事にしたいと思っているそうです。
 職員一同、入居者皆様の思いを大事に、「その方らしい暮らし」がおくれるよう努めていきたいと思います。
料理「冬の鍋企画!おでん」 3番館 理学療法士 伊東 優花
 3番館ではこの冬に、初めて「冬の鍋企画」を開催しました。
 寒い冬、出来立てのあったかい鍋料理を取り分けて、熱々を召し上がって頂きたいと思い、十二月から二月の第二月曜の昼食に「石狩鍋」「ちゃんこ鍋」などをご用意いたしました。
 二月は「第三弾!おでん」。玉子、大根、ちくわ、はんぺん…おなじみのおでん種がいい匂いを放ちます。
 入居者の佐々木良夫様にメニューを書いていただき、おかげ様で迫力ある筆文字が美味しさに一層彩を添えてくれました。
 人気は大根!「よく味が染みている」「いいお出汁」とおかわりする方がたくさんいらっしゃいました。


『熱々おでんをどうぞ』


メニューを書いていただきました♪

握り寿司のランチ 3番館 ヘルパー 高 裕美
 三月二十五日(土)の昼食は「握り寿司」でした。
 お寿司が好きな入居者様が多いので、おかわりされる方もいらっしゃり、「今日は何の日?」「何のお祝いなの?」と口々にお話しされながら、ニコニコと嬉しそうです。
 夏場は生ものの提供がお休みになるので、今のうちに…と提供したお寿司でしたが、「野球のWBCで日本が優勝した祝勝会だね」、「おいしい!」と大変喜んで頂けました。


「お寿司大好き」
他の料理はフタも外さずに・・


「おいしかった〜完食したよ」

ご家族様の手作り「タペストリー」 3番館 ヘルパー 千葉 友紀
 入居者様の娘様から、季節ごとにとても素敵なタペストリーが届きます。
 お正月には十二支のマスコット、お雛様、そして今回は満開の桜…。
 フェルトで作られた可愛らしいタペストリーは、それぞれのパーツがマジックテープで取り外し可能で、パズルをはめるように飾り付けができる仕組みです。
 お母様が「楽しみながら、脳トレや指先のリハビリができるように」という娘様の愛情いっぱい、美しく完成度の高い作品の数々。
   ご本人様はもちろん、他の入居者様や職員もいつも笑顔で眺めています。


「うさぎは桜のとなりね」と笑顔て゛


干支のタペストリー


〜春〜桜のタペストリー

3番館自慢の大浴場 3番館 ヘルパー 畑山 光


浴室から見える景色

 私が初めて3番館の大浴場を見た時、景色の美しさと明るさに驚きました。
 大きなガラス張りの窓からは、さんさんと太陽の光が差し込み、そこから雄大な山々が四季折々の美しい景色を見せてくれます。
 これからの季節は、長い冬を超えた八紘学園の果樹園の鮮やかな緑をみることができるでしょう。
 限られた入浴時間の中、入居者様はたくさんのお話しを私たちにしてくださいます。
 贔屓にしているプロ野球チームの事、お勤めしていた時のお話し、趣味のお茶のお話しなど、どれも興味深く、勉強になる事ばかりです。
 また、私たちも子育ての悩みや将来の事など相談させていただき、私たちにとっても大切な時間となっています。
 短い時間ではありますが、少しでも入居者皆様の癒しになるよう、私たちも力を尽くして参ります。
ハンドベル演奏会 中島公園 ヘルパー 田中 美帆
 三月十六日(木)、レストランにてハンドベル奏者の村上亜紀様とピアノの小板橋由美様をお迎えし、「ハンドベルとピアノによる体験演奏会」が行われました。
 「幸せなら手をたたこう」の音楽に合わせ、入居者皆様と一緒に「幸せならベル鳴らそう」と歌いながら笑顔でベルを鳴らしました。後半の演奏では、村上様お一人でのハンドベルさばきを見せて下さり、「見上げてごらん夜の星を」「津軽海峡冬景色」などを演奏して下さいました。
 皆様「ハンドベル良かったよ」「素敵な演奏だった」と仰っており、演奏会には初めて参加する方もいらっしゃり、良い交流の場にもなっていたようです。


美しい音色


入居者様もハンドベル体験しました

作業療法での作品作り 中島公園 作業療法士 大塚 あぐり
 中島公園では毎週火曜日の午後作品作りを行っております。
 参加される皆様は、とても良い雰囲気で和気あいあいと行っております。
 一月からはお花づくりを行いました。
 制作していて、難しいところややりにくいところがあっても、声を掛け合いながら協力したり、役割分担をしたりして進めていきました。
 三月上旬に完成し、一階と二階のフロアに作品を展示しました。「綺麗だね」「賑やかになっていいね」と皆様笑顔で喜ばれていらっしゃいました。
 現在では別の作品の制作を進めており、どのような作品になるのか、とてもワクワクしております。


和気あいあいと作業に取り組みました


華やかな花が完成しました

お散歩 中島公園 副施設長 須賀 尚美


お散歩仲間

 シルバーハイツ中島公園で近隣のお散歩を楽しまれている入居者様のお一人から、お話を伺ったのでご紹介いたします。
 令和二年に脊椎脱臼骨折に続き、足関節の部分に蜂窩織炎を発症してしまいました。入院も含めて二か月余りかかり、気が付くと足の筋力、体力ともにすっかり落ちてしまったことに驚きました。
 基礎疾患のない私は、百歳以上は生きていなければならない、まだまだ歩ける状態にしておかなければならないと思い、好きな歩くことから始めました。もともと体を動かすことが好きで、夏は山登りやゴルフ、冬はゲレンデスキーや歩くスキーを楽しんでおりました。
 ハイツの近くに中島公園があり、恵まれた環境の中で、毎日五千歩を目標に歩いております。少しでも三年前の体に戻りたく、努力しております。
 春は木々の芽吹き、夏は森林浴と小鳥のさえずり、静かに座禅を組んでいる方等々…皆さんも歩いてみませんか。
九十二.七歳より
小さなフロントが憩いの場に 中島公園 総務 三上 ひろ子


お話に花がさきます

 中島公園のフロントは玄関を入ってすぐ横にあり、フロントの前には白いソファベンチが置いてあります。
 天気の良い日も、風の強い日も、雨の日も外の景色を見ながら会話が弾みます。
 玄関先の寄せ植えの色とりどりの花を見て「赤い花が可愛いね」「昨日より咲いたよ」「今通って行った車はすごく大きいね」「私も昔は運転していたのよ」、自動ドアが開くと「わぁ?寒いね。でも気持ちいい(笑)」、歌を口ずさむ方がいたり、それぞれ楽しまれて、狭いながらも、ちょっとした社交場となっています。
 散歩から戻られた方たちはソファベンチで一休み「今日は風が強いよ」「天気が良くて気持ちよかった」と話して下さいます。
 中島公園を散歩して、「桜がきれいに咲いてるよ」と教えていただける日を楽しみにしています。
狸小路 其の一

 北海道に開拓使を設置し、札幌本府の開拓が始まった明治初期、本州や四国、九州からの移住者で人口が増え始めた。大通りより南、創成川より西の一帯を住宅地及び商業地と区画していた地域のうち、南2条と南3条の間の通りに飲食店や商店が自然発生的に軒を連ねた。これが狸小路の発祥と言われており、明治4年という説と明治6年という説がある。
 明治6(1873)年とすると今年で150年となる。
 ちなみに1897(明治30)年頃の狸小路の地価は一坪あたり約15円だったとか。(2022年公示価格では一坪あたり約550万円)

健康一口メモ 〜高齢者の嚥下〜 中島公園 看護職員 宮崎 ゆう子
 高齢になるにつれて嚥下(えんげ)機能が衰えるのはご存じですか?
 嚥下とは「食べ物・飲み物を飲み込む事」です。高齢になると口と喉の動きが衰えて「食べづらさ」や「飲み込みづらさ」を感じる事が増えます。
 スムーズにものを飲み込めない事で誤嚥(ごえん)のリスクが高くなります。誤嚥とは食べ物が胃ではない内臓器官に入ってしまうことです。食事中に「食べ物がへんな所に入った」とむせた経験はありませんか?それが誤嚥を起こしているという事です。ひんぱんに起こるようですと誤嚥性肺炎という重大な疾患につながる可能性があります。
 また嚥下機能が衰えてしまうと食べることに苦痛を感じ、食欲の減退にもつながります。
 これらのネガティブな影響を避ける為にも、嚥下機能の維持はとても大切なことです。
 今回は、嚥下機能の維持に有効な、食前に行う嚥下体操と、食後の口腔ケアをご紹介いたします。
 

●嚥下体操

 まず、食事前に姿勢を整え深呼吸をして下さい。
 肩と首をまわします。
 そのあとは口、頬、舌を動かします。
 最後に発音練習をします。ゆっくり「パタカラ」と発音して下さい。
 

●口腔ケア

 嚥下機能の維持には口腔ケアも大切です。基本となるのは、毎日のうがいや歯磨き、舌や粘膜などのセルフケアです。入れ歯を使用している方は、入れ歯のケアも忘れずに。
 口腔ケアは、感染症や認知症の予防、誤嚥性肺炎などの病気のリスクを下げる効果が期待できます。汚れを除去し、口腔環境を整えることで、コミュケーションの円滑化やQOL(生活の質)の向上につながるのも大きなメリットです。
 皆様、ぜひ嚥下体操、そして口腔ケアを習慣にして、美味しい食事を召し上がり、健やかな毎日をお過ごしください。